展示会一覧
小紋紅型の衣裳 / 王国の漆工芸技術~堆錦・螺鈿・沈金~
尚家の紅型衣裳の中から、小紋柄で染められた衣裳をご紹介します。
紅型というと、色鮮やかで大柄な模様のものをイメージする場合が多いと思われますが、実は小柄な模様の紅型衣裳も多くありました。
遠くから見ると、無地に見える細かい模様は、型紙を彫るのにも糊を置くのにも高い技術が必要でした。細かい模様の線が途切れないよう型紙を彫るのは難しく、さらにその細かい模様のとおりに糊を置くのには、熟練の技が必要でした。
また、染めるときには、部分的に色を変えて、細かい模様が単調に見えないような工夫もされました。
このように、小紋紅型には大柄の紅型の華やかさとは一味違う細やかさがあり、琉球の紅型職人の技の高さをみることができます。
また、調度品としては堆錦(ついきん)や螺鈿(らでん)、沈金(ちんきん)の技法を用いた漆芸品をご紹介しています。王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
那覇のまつりと10・10空襲
今年は1944年10月10日の10・10空襲から70年を迎えます。
かつては勇壮かつ華麗に行われていた綱引・ハーリー・ジュリ馬などの那覇三大まつりも空襲で途絶え、後に復活しました。
企画展では戦前のまつりの様子と10・10空襲について紹介します。
鳥が描かれた紅型衣裳/王国の漆工芸技術~螺鈿・箔絵・沈金~
今月は尚家の紅型衣裳の中から、様々な鳥が描かれた紅型衣裳をご紹介します。
今回紹介している紅型(びんがた)衣裳には、大きく羽を広げ様々なポーズをとる鳥が描かれています。これらの鳥は鶴(つる)、雁(かり)、燕(つばめ)など、日本では馴染み深い鳥ですが、琉球ではあまり見られないものばかりです。
これは、琉球に住む人々にとって、気候風土の異なる遠い日本の風物は珍しいものだったため、上流階級の人々がステイタスとして日本的な文様を取り入れたためと考えられています。
しかし、文様は日本的であっても、彩色には南国琉球らしい鮮やかな色が、自由に使われています。この色合いこそが、紅型の大きな特徴といえます。
また、調度品としては尚家資料の中から螺鈿(らでん)で彩られた料紙箱と硯箱をご紹介しています。黒漆に貝の文様を全面にちりばめた、どこか遊び心を感じさせるモダンなデザインの漆器をご覧ください。
その他にも、箔絵(はくえ)や沈金(ちんきん)の技法を使った王国時代の漆芸品をご紹介しています。どうぞ足をお運びください。
絣と縞の夏衣裳/王国の漆工芸技術~螺鈿・箔絵・沈金~
今月は、尚家の染織資料の中から、涼しげな芭蕉で織られた、縞と絣の夏衣裳をご紹介します。
絣は、糸を部分的に染め、織り上げることで文様を表す技法で、経糸だけを染めた「経絣(たてがすり)」、緯糸だけを染めた「緯絣(よこがすり)」、経糸と緯糸を染めた「経緯絣(たてよこがすり)」があります。
沖縄では絣のことを「フシ」、「トゥッチリ(取切)」などと呼び、経緯絣の織物は「ムルドゥッチリ(諸取切)」と呼ばれます。また、経縞は「アヤ(綾)」と呼ばれ、経縞の間に絣文様を組み合わせた織物は「アヤヌナーカー(綾の中)」と呼ばれます。
尚家の絣と縞の衣裳はいずれも、王家を象徴する鮮やかな黄色地に、細かい色あわせの経縞を走らせ、その間に大柄の絣を大胆に配しています。こうした大柄の絣は高貴な身分の者だけに許されたデザインでした。
また、調度品としては尚家資料の中から螺鈿(らでん)で彩られた料紙箱と硯箱をご紹介しています。黒漆に貝の文様を全面にちりばめた、どこか遊び心を感じさせるモダンなデザインの漆器をご覧ください。
その他にも、箔絵(はくえ)や沈金(ちんきん)の技法を使った王国時代の漆芸品をご紹介しています。どうぞ足をお運びください。
県道開通80周年記念 あの頃の国際通り
那覇のメインストリート「国際通り」は1934年に開通し、今年で80周年を迎えます。
戦後は焦土と化した那覇市内で先駆けて復興が進み、「奇跡の1マイル」と呼ばれました。
企画展では戦前から現在に至る国際通りと、金城棟永氏が撮影した1994年と2002年の国際通り店舗の写真を比較して紹介します。
動植物の描かれた紅型衣裳
尚家の紅型衣裳の中から、動物や植物の描かれた衣裳をご紹介します。
今回紹介している紅型衣裳には、鶴(つる)、蝶(ちょう)、蝙蝠(こうもり)が描かれています。これらは琉球ではすべて吉祥文(きっしょうもん)と考えられていました。
鶴(つる)は、古来から吉兆のしるしとして尊ばれ、亀とともに長寿を表わすことで知られていますが、蝶(ちょう)は、琉球の方言でハーベールーと呼ばれ、死者の魂の化身と考えられ、転じて霊力を表わすともいわれます。衣裳の中に蝶をたくさん飛ばすことで、それを着る人に対して霊力の加護を願ったのかもしれません。
蝙蝠(こうもり)は、日本ではあまり良い印象がありませんが、中国では「蝠」の字の読みが「福」と同じ音になることから、吉祥文とされています。中国文化の影響の強い琉球では、衣裳の紋様として使われることがありました。
これらの文様が、同じく吉祥文とされる牡丹(ぼたん)や菖蒲(しょうぶ)、竹(たけ)などと組み合わされ、吉祥あふれる縁起の良い図柄になっています。
戦時体制下の沖縄
日中戦争から沖縄戦へ、どのようにして沖縄社会が戦時体制下へ入っていったのかを、当時の資料や写真をもとに紹介します。
新規作成資料 展示公開
現在、那覇市歴史博物館では新収蔵資料である複製品資料と模型資料展示しております。 (※休館日の木曜日を除く。)
水色地の紅型衣裳
藍(あい)は染める回数によって、ごく薄い水色から濃紺まで、様々な青色を染めることが出来ます。琉球ではこの藍を利用して、水色地や紺地の衣裳が数多く作られてきました。
尚家資料には白地、黄色地、紅色地等の紅型衣裳が42領伝来していますが、3分の1に近い12領が水色地の衣裳です。
藍染めには、本土では蓼藍(たであい)が多く使われますが、琉球では琉球藍(りゅうきゅうあい)、蓼藍、インド藍など複数の藍が使われてきました。中でも亜熱帯気候の中で栽培しやすい琉球藍が最も多く使われました。
5月の国宝衣裳展示は、尚王家に伝わるさわやかな水色地の紅型衣裳3点をご紹介します。
また、王国時代の漆芸品もあわせて展示しています。沈金・螺鈿・箔絵などで彩られた王国時代の漆芸品の数々をお楽しみください。
【展示場所】特別展示室
国宝「玉冠」特別公開
国内に唯一残る琉球国王の「玉冠」を、2週間のみの期間限定で特別公開します。
【展示場所】特別展示室
※国宝資料はより良い状態で保存していくために公開期間を限らせていただいています。