展示会一覧
琉球の猫(マヤー)
今年は国指定特別天然記念物イリオモテヤマネコが発見されて50年にあたります。
那覇市歴史博物館ではこれを記念して、「琉球の猫(マヤー)」と題し、「猫」を画題とした絵画をご紹介します。
【展示内容】
「神猫図」 那覇市歴史博物館所蔵〈県指定文化財(絵画)〉
「月下神猫図」(複製) 沖縄美ら島財団所蔵
「神猫図」山口宗季(呉師虔)筆/那覇市歴史博物館所蔵(横内家資料)
山口宗季(唐名:呉師虔 1672~1743)は、琉球絵画の第一人者で、王府内で美術工芸品の図案や製作を担当した、貝摺奉行所を中心に活躍した絵師として知られています。中国に留学して福州(現在の福建省)で孫億(1638~没年不明)らに学び、淡い彩色を生かした花鳥画を得意としました。
本図は、夜の闇に浮かび上がる神猫が、毛先の一本一本までもが繊細なタッチで描かれ、その神性を存分に表現しています。
白地の紅型衣裳 / 王国の漆工芸技術~黒漆と螺鈿技法~
今月は、尚家資料、福地家資料、グシ(※)宮城資料の中から、白地の紅型(びんがた)衣裳をご紹介します。
白地の紅型衣裳は、職人たちが特別に手間をかけて作り上げたものでした。広い白地に糊(のり)を均一に置き、余計な色が入らないよう、美しく白地を残して染め上げるには、職人の高い技術と熟練の技が必要でした。
紅型の特徴は、その色使いにあり、赤、黄、青、緑など鮮やかな原色同士が組み合わされながらも、太陽の下に咲く南国の花のような気品と生命力が感じられます。これらの色が一番美しく映える背景として、白という地色が選ばれたものと考えられます。
これらの白地の紅型衣装は、王家や上級士族など、ごく限られた人々が身に付けたと思われます。
また、調度品は螺鈿の技術を使用した黒漆の漆器をご紹介します。王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
※グシ=双かんむりに牛
縞と絣の夏衣裳 / 王国の漆工芸技術~黒漆と螺鈿技法~
今月は、尚家資料、福地家資料、グシ(※)宮城資料の中から、絣と縞の夏衣裳をご紹介します。
また、調度品は螺鈿の技術を使用した黒漆の漆器をご紹介します。王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
※グシ=双かんむりに牛
王国時代の夏衣裳 / 王国の漆工芸技術~朱漆と沈金技法~
今月は、尚家資料と福地家資料から、王国時代の夏衣裳をご紹介します。
亜熱帯地帯にあり、一年を通して温暖な気候の琉球では、涼しく過ごすために夏物の衣裳が好まれて着られました。
夏物の衣裳には、さらりとして肌にべと付かない苧麻(ちょま・リネンの一種)や、ふれるとひんやりとした感じのする芭蕉(ばしょう)が使用され、王族から庶民まで広く身につけられていました。
苧麻布は布地の質によって上・中・下のランク付けがなされました。その中でもっとも細い糸を使い、薄く織り上げられた高級な苧麻布は「上布(じょうふ)」と呼ばれ、上級士族の衣裳に用いられました。
また、調度品は朱漆の地に沈金(ちんきん)の技法を使用した漆器をご紹介します。王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
海洋博開催40周年記念 戦後の沖縄観光
戦後の沖縄観光は、沖縄戦による戦死者の慰霊のための旅行団から始まり、アメリカの沖縄統治による免税の買い物が人気でした。40年前の1975年に開催された国際海洋博覧会(通称海洋博)以降は、沖縄の青い海に脚光が浴びるようになりました。
展示会では、戦後の沖縄観光の変化の様子を紹介します。
王家の絣衣裳 / 王国の漆工芸技術~堆錦・沈金~
今月は、尚家資料の中から、黄色地の絣衣裳をご紹介します。
絣衣装は、王家から庶民まで広く身につけられていました。
一般的に絣衣裳の地色は紺や白ですが、金色を思わせる鮮やかな黄色地は「チールジー」とよばれ、王家のみが使用できる格の高い色とされていました。
また、絣模様は大小様々な大きさのものが作られていましたが、王国時代は身分の高い人ほど柄の大きい模様を身に付ける慣習となっており、黄色地に色とりどりの大柄の絣模様の衣裳は、王家ならではの特別なものでした。
また、調度品は堆錦と沈金の技術を使用した漆器をご紹介します。王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
空色地の衣裳 / 王国の漆工芸技術~堆錦・沈金~
今月は、尚家資料と福地家資料の中から、空色地の紅型衣裳をご紹介します。
沖縄は年間を通して温暖で湿度も高いため、涼しげな水色や青色が好まれ、王国時代の衣裳にも、さわやかな空色地の衣裳が多く残っています。
青色の原料となる藍は、染める回数によってごく薄い水色から濃紺まで、様々な青色を染めることが出来ます。
藍染めには、本土では蓼藍が多く使われますが、琉球では琉球藍、蓼藍、インド藍など複数の藍が使われました。中でも亜熱帯気候の中で栽培しやすい琉球藍が最も多く使われました。琉球ではこの藍を利用して、水色地や紺地の衣裳が作られてきました。
また、調度品は堆錦と沈金の技術を使用した漆器をご紹介します。王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
戦後70周年記念展 沖縄戦
2015年は、1945年の沖縄戦終結から70周年の節目の年に当たります。この節目の年を記念して、展示会では、戦前の首里・那覇の様子、戦時体制下の沖縄、沖縄戦の状況、戦争終結跡の米軍による沖縄統治、統治下での那覇の復興・発展の様子を紹介します。
王家の黄色地衣裳
今月は、尚家資料の中から、黄色地の衣裳を3点ご紹介します。
琉球では黄色地は「チールジー」とよばれ、王家のみが使用できる格の高い色として特別な意味を持っていました。
輝くばかりの鮮やかな黄色は、石黄という高価な輸入色材や、鬱金、黄檗などの染料で染められました。
また、布地は、上質な苧麻や芭蕉の他、絹の縮緬や、中国から輸入された綸子などの高級な素材が使われました。
これらの黄色地の衣裳は、王国の公式行事の衣裳として、特別な時だけに着用されたと考えられています。
尚家の宝刀
尚家資料には、3口の刀剣があります。
刀身はすべて無銘で、日本製であり、室町時代の作とみられています。
これらの刀剣は、それぞれが琉球王国の第二尚氏に関わる様々な伝承を持ち、王国の長い歴史と共に生き続けてきた証人ともいえます。
今年はこれらの刀剣3口を、一挙にご紹介します。
すべての刀剣が同時に展示される事はなかなかありませんので、どうぞこの機会をお見逃しなく。