展示会一覧
鳥が描かれた紅型衣裳/鳥にまつわる調度品
今月は尚家資料と福地家資料から、鳥が描かれた紅型衣裳と鳥にまつわる調度品を紹介します。
平成29年は酉年。これにちなんで、今月は鳥が描かれた紅型衣裳を展示します。
鳥は紅型の意匠としては、鳳凰、尾長鳥、鶴、水鳥、燕などがあり、今回展示している衣裳には、鶴、水鳥、燕が描かれています。
鶴は、古来から亀とともに長寿の象徴とされています。
水鳥は海を越え遠方から飛来することから、幸運をもたらすものとされています。
燕は番で子育てする姿から、夫婦円満や家内安全をあらわします。
いずれも、縁起の良い吉祥文としてよく知られている鳥です。新春に、めでたい鳥の姿をお楽しみください。
また、調度品は酉年にちなんで、今月は鳥にまつわる調度品を展示します。
「首里那覇鳥瞰図屏風」は、首里から那覇の風景を描いています。このような上空から見下ろす形で描いた絵を、空を飛ぶ鳥の目線から描いた図という意味で「鳥瞰図(ちょうかんず)」と呼びます。
よく見ると、右上の首里城本殿には鶴が描かれた簾(すだれ)がかけられています。これは王国時代の首里城の正月飾りで、正月の様子を描いた風景という事が分かります。
「朱漆芭蕉万年青文沈金堆錦衝立」は、片面が芭蕉、片面が万年青の文様で、芭蕉の面の上空に鳥が飛び雲が流れ、画面に奥行きを与えています。
王国時代の精緻な紅型衣裳、絵画、漆工芸をお楽しみください。
収集50周年記念 當銘正幸漆器コレクション展 「塗物の美らさ」
県内在住の衣裳・泡盛等の収集家である當銘正幸氏が長年かけて収蔵した琉球・沖縄に関する漆器の数々を一堂に紹介します。
那覇市牧志で骨董店を営んでいる當銘正幸氏は、1966年(昭和41)25歳の頃、沖縄を訪れていた民具収集家の運搬の手伝いをしたことから、自身も沖縄の民具に興味を持ったといいます。それからは、沖縄本島のみならず県内離島へ赴き、民具を集めるようになったそうです。
その後、當銘氏は収集の範囲を沖縄に関する焼物・染織物・漆器・泡盛(古酒)へと広げていき、現在では、沖縄では県内で有数のコレクションを持つコレクターの一人です。當銘氏は常々、自身のコレクションを「沖縄県民全てに見て頂き、県民としての誇りを持ってもらいたい」と力説します。
現在、當銘氏の漆器コレクションの総数は300点余りに及び、県内外の博物館・美術館が所蔵する資料に勝るとも劣らない資料を始め、普段観ることができない資料も数多く含まれます。今回の企画展では、その中から選りすぐりの120点余りの漆器とその関連資料を展示します。
この機会に當銘氏の「県民に見てもらいたい」との思いから収集した貴重な漆器資料の数々をご覧ください。
王国時代の冬衣裳/王国の漆工芸技術~黒漆と螺鈿の漆器~
今月は尚家資料とグシ宮城家資料から、王国時代の冬衣裳を紹介します。
気候が温暖な琉球でも、冬になると防寒着を着用しました。木綿は現在では夏物という印象が強いのですが、苧麻(ちょま)や芭蕉(ばしょう)より毛足が長くふっくらと柔らかい手触りから、冬物として着用されていました。
木綿は、琉球でも栽培されていましたが、芭蕉などに比べて栽培が難しく、貴重な繊維だったため、身に付けられたのは主に士族層で、庶民にとっては贅沢品でした。上級士族は、さらに裏地を付けて袷(あわせ)衣裳にし、防寒性を高めました。
また、内側に中国式の丈が短い絹製の袷衣裳「馬掛子(まーくゎー)」「唐(とー)ビーター」を重ね着することもありました。
また、調度品は黒漆に螺鈿の技術を使用した漆器をご紹介します。
王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
神猫図
那覇市歴史博物館所蔵の横内家資料の中から、神猫図を紹介します。
「神猫図」山口宗季(呉師虔)筆/那覇市歴史博物館所蔵(横内家資料)
山口宗季(唐名:呉師虔 1672~1743)は、琉球絵画の第一人者で、王府内で美術工芸品の図案や製作を担当した、貝摺奉行所を中心に活躍した絵師として知られています。中国に留学して福州(現在の福建省)で孫億(1638~没年不明)らに学び、淡い彩色を生かした花鳥画を得意としました。
本図は、夜の闇に浮かび上がる神猫が、毛先の一本一本までもが繊細なタッチで描かれ、その神性を存分に表現しています。
流水文様の紅型衣裳/王国の漆工芸技術~黒漆と螺鈿の漆器~
今月は尚家資料と福地家資料から、流水紋様の紅型衣裳を紹介します。
紅型は型紙を使用して染める染色技法のため、文様は一定のパターンを等間隔で繰り返して展開されます。また、型紙は表裏両面が使用できるため、文様を裏返して染めることもできます。
今回展示している衣裳は、文様が繰り返すという特徴を生かし、流水文様が左右につながるように染め、あたかも水が流れているかのような動きが生じるように縫製されています。
実際に使われている型紙は1枚にもかかわらず、染と仕立ての工夫で背中一面にダイナミックな動きが展開されるよう、細部まで計算された構成となっています。
また、調度品は黒漆に螺鈿の技術を使用した漆器をご紹介します。
王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
「なは教育の日」制定10年記念 「琉球・沖縄 学問のすすめ~なは教育のあけぼの~」
2016年は、2007年12月9日に「なは教育の日」を制定してから10年目の節目の年にあたります。
節目の年を記念して、那覇における学校設立、教育普及について紹介します。
国宝「玉冠」特別公開
国内に唯一残る琉球国王の「玉冠」を、期間限定で特別公開します。
【展示場所】特別展示室
※国宝資料はより良い状態で保存していくために公開期間を限らせていただいています。
白地の紅型衣裳/王国の漆工芸技術~朱漆と沈金・堆錦の漆器~
今月は尚家資料から、白地の紅型衣装を紹介します。
尚家資料として伝来している紅型(びんがた)衣裳42領のうち、15領が白地の衣裳であり、もっとも多い割合となっています。
紅型の特徴は、その色使いにあり、赤、黄、青、緑など鮮やかな原色同士が組み合わされながらも、太陽の下に咲く南国の花のような気品と生命力が感じられます。これらの色が一番美しく映える背景として、白という地色が選ばれたものと考えられます。
また、美しく白地を残し、色彩を際立たせるために、紅型職人たちは糊置きや色差しなどの各工程で細心の注意を払って染め上げました。白地の紅型衣裳は、職人が高い技術と熟練の技で、手間をかけて作り上げた特別なものでした。
また、調度品は尚家資料と伊江家資料から、沈金と堆錦、螺鈿の技術を使用した漆器をご紹介します。
王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
縞と絣の夏衣裳/王国の漆工芸技術~朱漆と沈金・堆錦の漆器~
今月は尚家資料と福地家資料から、縞と絣の夏衣裳をご紹介します。
琉球王国時代、王家から庶民まで広く着用されたのが、縞(しま)と絣(かすり)模様の衣裳でした。
庶民は、年間を通じて芭蕉(ばしょう)の生成り色に単純な縞(しま)模様の入った衣裳を着用しました。しかし、王家や上級士族は、夏場は苧麻(ちょま)や芭蕉(ばしょう)を黄や赤など様々な色に染め、縞模様や絣模様をほどこした華やかな衣裳を着用しました。
これらの衣裳には、縞模様に部分的に木綿糸を織り込んだり、縞の太さを細かく変化させるなど、素材や色の違いで模様にアクセントをつける細やかな工夫がなされました。
また、調度品は尚家資料と伊江家資料から、沈金と堆錦、螺鈿の技術を使用した漆器をご紹介します。
王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。
バジル・ホール来琉200周年記念 ウランダーがやってきた!
2016年は、1816年のバジル・ホールの来琉から200年の節目の年にあたります。
これを記念して、琉球王国時代に那覇を訪れた西洋人の活動と、それに対する首里王府の対応について紹介します。